From: 城 克文 , Date_No: 1999-04-19_07
じょうです。下書きのつもりで思いつくままに。 >カラーをいれるというのはプリロードを大きくすることと同じなんでしょうか? 同じです。プリロードで対応できなくなったらカラーを入れます。 プリロードは15ミリまでですから。 >不等ピッチコイルなので初期動作が堅くなりませんか? 乗車時の沈み込みがなくなる程度まで固めてしまうと、 もちろん不等ピッチコイルの影響も出ます。 (TDRの場合、カラー30ミリくらいからそうなるかな。) 少しだけなら、乗車時にはフロントサスが高くなったような錯覚があるだけです。 >粘りと堅いとは違う表現なんですか? これは、乗車時から何センチ伸びられるか、何センチ沈むことができるか、 という余裕を指して、「粘り」と表現したんですね。 正しくは、「残りストローク」とでもいうんでしょうか。 >マニュアルにはオフロードではプリロードを大きくしておくとありました。 プリロードをかけると、沈む側の残りストロークが増えて、 伸びる側の残りストロークが減ります。 ただし、バネの堅さや減衰力特性には、理論上変化がないです。 沈み側の残りストロークが増える分だけ底付きしにくくなるんでしょう。 前が上がったような感覚になりますから、後ろも少し固めておかないと、 乗車時のバランスが崩れます。 (リアにはリンクがあるので、Fサス1センチに対してRサスで3ミリ程度。) >>油面にして約5ミリほどでしょうか。 >そんなもんですか、たったの。?たしか規定の油面は123mmでしたね、なん%でも >ないんですねー 油面の調整は、油量に意義があるのではないのです。 残りの空気の容量に意義があるのです。 水と空気とを入れて先を詰めた注射器を圧縮するようなものです。 空気ばっかりだとよく縮みますが、水だけだと全く縮まないでしょ? 空気の圧縮量と圧力との関係は、シャルル−ボイルの法則により2乗に比例ですが、 空気の量が増えると2乗の曲線の立ち上がりが遅くなるので、 初期が柔らかくなったような錯覚があるのです。 >>カラーを入れると直線的な効果を出すのに対して、 >>油面を上げると二次曲線的な効果が出ますからねえ。 >下げると?ではないですか? エアー容量が増えたぶんエアーサスに近くなってくる >ということでしょうか? カラーを入れるのと対応させて、油面を上げる方のお話をしただけで、 もちろん下げるのも同じです。余り気にしなくていいです。 >>これに加えて番手を下げると、何というか、セローの射程フィールドみたいな山間 >>もOKって感じでしょうか。 >その場合には、動きがよくなりフルボトムしやすくなるので、絶対的にストロークが >必要になってくるんでしょうか? 低速での探検トレッキングなんかに向くでしょう。 スコスコ良く動くようになる分、減衰力がかなり下がりますから、 ジャンプなんかしたら確実に底付きしますね。 その場合は、それを防ぐためにカラーを入れますが。 >あまり長くないストローク量で、オフを快適に走るには、初期動作をソフトに、簡単 >にフルボトムしないよう後半踏ん張ることが必要。 そうですね。私もそういうセッティングが好きです。 >なので、油面をすこし下げ、オイルはすこし堅め(ソフトすぎず)。 1 オイルの番手は減衰力特性を規定しますので、 硬くすると、ストローク全域にわたって動きが悪くなります。 あまりにも硬すぎると、ギャップに当たっても素早く縮むことができずに、 ガツンと衝撃が来ます。 逆に柔らかすぎると、ふわふわしていつまでもそのふわふわが収まらなくなります。 2 油面とプリロード(カラーも同じ)は、 ストロークに対する反発力を規定します。 油面(残りの空気量)は、初期の利きが弱く、 沈むにしたがって利きが強くなります(2次曲線的)。 プリロードは、初期からフルボトムまで圧力と縮み方の関係は同じです(直線的)。 なので、私がそのようにしようと思ったら、オイル番手は落として、 油面を上げるか、カラーを入れるか、油面を下げてカラーを入れるかです。 油面を上げると、乗車姿勢は変わらず踏ん張るようになります (5ミリも上げれば十分。)。 カラーを入れると、乗車時には前上がりになって、 フルストロークまでの余裕が伸びますが、伸びる量が減りますから、 小さい穴を越えるときなんかに伸びが足りなくて、 トレースできずにドスンと落ちたりします。 フロント上げながらかっとんで行けばいいんですが。 −−−−− と、いろいろ書きましたが、理屈と感覚とは必ずしも合致しないことが多く、 しかも各要素が絡み合って影響するので、 これらを踏まえていろいろやってみるのがよいのです。 ただし、変更は、1回に1項目だけにしましょう。 面倒なようで結果として早いですし、訳がわかんなくなるのが防げます。 ・・・なんか予想以上にとっても長くなってしまった。 では。