◯^◯///  TDR250  ◯^◯///


- TDR250のうがき -

開発コンセプト:多面性をもつアドベンチャーバイク
   発売年月:1988年1月
   乾燥重量:134Kg
   総排気量:249cc
   最高出力:45PS  / 9500rpm
  最大トルク:3.6Kg*m / 8500rpm
  気筒数配列:並列2気筒横置
  原動機種類:2サイクル、水冷クランク室リードバルブ
  オイル燃費:1000Km/Liter 程
 ガソリン燃費: 20Km/Liter 程 (公称値は43)
燃料タンク容量: 13 Liters    (公称値は14)

- 今野のTDRは -
   購入年月:1994年2月(名古屋のレッドバロン八事店にて購入)
   常駐装備:クラウザー製スーツケース システムK1 36Liters


今野の独断と偏見によるImpression

●高速走行時
 時速100Km/hを超えたあたりから、あの可愛らしい風防が威力を奮い出す。 「記念撮影」を気にしなければ、160Km/h巡航もらくちんだ(Gasがもったいない)。 ちゃんと整備してあれば、極めて安定性が良い。 しかし、普通に車の流れに乗って走るのが一番いいと思う。 120Km/h位だとエンジン音も静かで大空を滑空しているような気分を味わえる。

●低速走行時
 意外にもエンジンに粘りがある。 タイヤさえちゃんとしていれば、荒れた山道をウィンウィン登っていく。 ただし過信は禁物で、U-turn時には、半クラの使用をお奨めする。 取り回しは、やっぱり重たい。若干フロントヘビーな感じがする。 さすがにトライアルには向かない。

●街中走行時
 乗り手のわがままを何でもきいてくれる。 狭路のすり抜けもすいすい。段差があってもへっちゃら。路側帯の王様だ。 いざというときには、白煙を残してロケットのように消えてなくなる。 乗車姿勢が楽で「教習所座り」が出来る。視界が広いので周りの状況が良く判る。 現実的な使用条件のもとではOn車とOff車の長所を併せ持っていると言える。

●峠道走行時
視界が開けていれば峠小僧達とつるんで走れる。 エンジン車体ともにオン車にひけをとらない。 しかし重心が高いのでライン取りの急な修正には無理がある。 だから視界の開けない夜間などは、おとなしく走った方が安全と言える。 乗車姿勢が楽なので峠の茶屋で腰をパンパンしている連中に密かな優越感を感じる。

●林道走行時
 ・・・・・・それなりに走る。 安定性が高い反面ハンドルが重く細かい動きが苦手。後輪に乗った走りがしにくい。 こいつを存分に振り回すには技術が必要だ。バイクは転んで巧くなるものだが、 パワーだけでなく価格も125cc2台分なので、つい守りの走りになってしまう。 その気になれば、かなり過激な走りも可能。但し荷物を積んでないとき。 オフロードバイクだと思って乗ってはいけない。 こいつは「アリカン」だ。 キャンプ道具一式を積んだ重装備でも一切お構いなく突っ走る。
北の大地が呼んでいる。

●総合評価
 バイクの自動車より勝った点は何と云っても「機動性」であろう! この機動性のなんたるかを250という枠の中でとことん追求したバイクといえる。 冒険を求めるものにとって総合的な環境を提供してくれるものだ。 「何でも出来るは何もできないに等しい」という言葉がある。そうだろうか? このバイクの故郷はサーキットでもどろんこ道でもない。一般の田舎道路だ。 公道を走行する上で極限状況に対応するための機能は必要ない。 常識的な範囲の道であればあらゆるステージで最高の水準を約束してくれるであろう。


文責:今野 滋 [ TDR友の会HPへ ]